有機農業における大切な土作りの続き記事で、炭についての内容です。炭焼き窯はご存知でしょうか。今回はとても特徴的な窯を自分で作ってから、炭を焼きます。

スコップ1つで作れる窯!簡単で費用かからないので、とても参考になると思います。さらに、炭の原料は、庭木の剪定枝や農作業で使った使い古しの竹さおなど、廃物利用なので、費用は、0円!

このコストゼロで作った炭を土壌改良剤として、畑にすき込むのです。少々手間はかかりますが、なんといっても安全な土壌改良方法の一つですので、とてもお勧めの方法です。

目から鱗の竪穴式炭窯とは

さて、今回は、小川町有機農業入門塾での炭作りの講義内容。そして、炭焼き窯の製作には、費用を全くかけない目から鱗の作り方。どんな作り方かというと、地面をすり鉢状に掘り下げるだけの簡単なやりかた!

同じような形状の金属製の道具も、無煙炭化器の名称で販売されていますが、何万円もしています。

竪穴式炭窯
竪穴式炭釜

ところで、講義の流れですが、1件の農家さんで3回の講義を受け、それを4件の農家さんで順番に受ける関係上、タイミングによっては講義途中で作業が切れてしまいます。

今回がその例で、炭作りの窯開け作業からになってます。窯作りから、窯への原料入れ、火入れから蒸し焼き作業は、前のグループが行って、その後を私たちのグループが引き継いでいる形です。

出来上がった炭の取り出し

そんなわけで、今回の講義は、炭作りの途中からとなっていて、私たちチームでの、窯開けが、下の写真のとおり。(窯作りから、原料入れ,火入れ,蒸し焼きは、前のチームがやったもの)

写真を見て、 これが炭焼き窯? と思った方が多いと思います。皆さんがイメージしていたものとはおよそ程遠かったのではないでしょうか? 竪穴式炭窯とは、地面を掘り下げて作った窯なのです。その窯で、庭木の剪定枝や竹などを蒸し焼きにして、炭にしていくのです。

原料に火が廻り、火の勢いが収まったら、トタン板で蓋をして、窯の中を酸欠にして蒸し焼き状態に! 良い蒸し焼きにするためにトタンの周囲を土で覆ってます。

竪穴式炭窯を作ろう

この写真で見ていただきたい部分は、竪穴式炭窯の形状と作りの簡単さです。たったのこれだけ!

作り方としてはスコップで地面に穴を、すり鉢状に掘り下げるだけ。掘り下げた表面をスコップの背の方で叩いて固めてあります。穴の大きさは、原料の量によって調整。
原料に火が全体に廻り、鎮火したあたりで、原料が沈みますので、その時点で原料の上端が地面位が適当!

窯の形状は見てのとおり、すり鉢状態! 掘り下げるポイントは、すり鉢状にする角度。角度は、料理で使うすり鉢を参考に!
くれぐれも、穴は原料の割に大きくしすぎないこと。蒸し焼き状態にならず、灰になる部分が多くなってしまいます。

竪穴式炭釜の形状

これが炭の原料になる庭木の剪定枝や農作業でいらなくなった竹材など。本来ですと処分するものが原料となっています。

剪定枝は細いものでも大丈夫。あまりに太いものは割った方が良いそうです。

手前の竹は、農作業で使ったものの廃材。竹も立派な原料になります。

これらから作られた炭は、畑にすき込むことによって土壌改良に役立てる! 本当に無駄になるものがなく自然循環ができているなと感じました。

まとめ

今回の竪穴式炭窯での炭作りは、身近にあるものの活用事例の一つ。庭木を剪定した枝なども有効に活用できることから、今度は自分でも試してみるつもりです。

有機農業で大切な土壌改良方法の一つとして、とても有効。なんといっても、炭の安全性に加え、窯そのものの作成費用は全くかからず、出来上がった炭で、土壌改良! 窯作りは簡単で、すり鉢状に穴を掘るだけ

あえてかかる費用としては、トタン板くらいのもの。出来上がった炭は、圃場(農場のこと)にすき込むことで、土壌改良に役立って、一石二鳥の作業です。こんないい事づくめの技ですが、住宅地での火燃しにはご用心を!ご近所さんからのクレームや消防車の出動にならないようにしてくださいな。

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