手に入らないボールペン芯
古いけどちょっと高級品のボールペンの芯が欲しくて、文具店に出向きましたが、3店廻ってどこにも置いてませんでした。
ネット通販で探せばあるとは思いますが、ボールペンの芯ごときに、そんな労力をかけるのが嫌で自分で作ることにしました。
その手順を紹介しますので、こんなこともできるんだなぁと楽しんで、参考にしてください。
準備:空になったカートリッジと、取り付けるべき新しい芯
上の写真を見てください。
一番左側が使い切って空になったカートリッジ芯です。その右側に見えるのが、他のボールペンで使っている芯になります。ゼブラ4Cタイプですね。その右側が商品のパッケージということになります。
この空になったカートリッジがどこのお店でも手に入らなかったのです。そこで、このカートリッジに、ゼブラ4Cタイプ芯を取り付けて、新しい芯として使おうと思ったのです。
手順1:芯が売られてない古すぎるボールペンの分解
上の写真のボールペンの芯が欲しかったのですが、どこにも売ってませんでした。まあ私の住むのは田舎町ですので、東京とか大阪の都会ならあるかもしれませんが・・(笑)
では本題です。分解写真を見てください。一番左側が本体の上下部分。その右側にあるのが、ステンレスのカバーで、これが替芯カートリッジを覆っていました。
そして白く見えるのが、空になったカートリッジ芯です。芯の先にあるスプリングが、出し入れする時の反発の役割をしているわけですね。
寸法がわかるように定規を置いておきました。芯長さが90mmであることが分かります。
芯を製作する時に、一番大事なのは、この空になったカートリッジシンと全く同じ長さにすることと、ノックボタンを押した時にスムーズに出し入れができるようにすることです。
特に、空のカートリッジと新しい芯の接続部分を滑らかに仕上げることですね。ロックして出し入れする時に引っかかったり、摩擦抵抗があったりしては、気持ちいい事務作業に支障をきたしますものね。
手順2:空のカートリッジの切断と新しい芯の挿入
空のカートリッジの先の、1段くびれたところから切り落とします。切り落としたところの穴に新しい芯を挿入していきます。ただし穴が小さすぎて全く入りません。
そこで、写真のように下からライターで炙り、樹脂を柔らかくして、金属製の新しい芯を挿入していきます。
この時のコツとしては、ライターの火は遠くから、空のカートリッジはゆっくりと回転させながら、そして、頃合いを見て金属芯を押し込んでいくのですが、ゆっくりと回しながら押し込むことです。
いきなり押し込むと挿入部分が膨らんでしまったり、曲がってしまったりして、後々修正が大変です。なお、ライターは1人でやるよりも、誰かに持っていてもらった方がやりやすいです。
くれぐれも近づけすぎないでくださいね。すぐに燃えてしまいます。
元の長さまで挿入し終わったところです。ぴったりと90ミリまで挿入するのは意外と難しいので、少し長めに挿入し終わったら、お尻の部分の黒いキャップを外し、カートリッジ本体を1mm、2mmと切り詰める方が、正確にいきます。
ここの切り詰め作業が最大のポイントです。この長さ非常に微妙ですよ。1mm未満の長さ違いでも、書き味に差が出るくらいです。
挿入部分が盛り上がっているのが分かりますか。この部分を丁寧に削り落とします。ナイフでもいいのですが、細い金属ヤスリがあると作業がやりやすいです。
樹脂が結構硬いので、ナイフですと左手の持つ手にかなり力がかかります。カートリッジ部分を傷めないような持ち方をしてください。
手順3:カートリッジカバーの取り付け
空のカートリッジの挿入部分の盛り上がりをきれいに削り落とし、ステンレスのカバーをつけたところです。どうです綺麗にぴったりと出来上がっているでしょう。
手順4:本体に芯を入れて完成
本体にスプリングを入れ、製作した芯を入れ、完成です。ペン先を見てください。綺麗に長さが揃っているでしょ。
今回は、手元に金属の替芯、ゼブラ4Cタイプの備蓄があったので、重宝しました。こんな風にちょっとしたアイディアとひと手間で、いろんなものを直し、楽しんでいます。
かかった時間は5分ほどです。最寄りの文具店になかったからと、ネット注文し受け取ったりと余計な手間をかけると、何かと時間と手間がかかりますが、今回は5分ほどでお気に入りのボールペンが使えるようになりました。
今後もこの金属の芯だけを取り替えればいいので、この古いボールペンもずっと使い続けられます。愛着の品ですので、とても嬉しいです。