この記事では読売新聞に掲載された 人生相談から、父親と娘の関係性について取り上げました。
娘さんの言動について理解ができないと お困りの父親の方必見です。
[人生案内]高校生の娘に無視される
(2024/11/09 読売新聞)
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と、こんな風に 新聞紙上では 回答がされていました。
ここから さらに突っ込んで様々な例を見ていきましょう。
思春期特有の心身の不安定さ
思春期は心身が大きく成長する時期であり、感情やホルモンの影響により、いら立ちや不安定さが生じやすいです。
この時期の娘さんにとって、父親という存在は異性として意識されるため、距離を置きたいという感情が現れることは珍しくありません。
父親に対する感情的な反発
例として,「食事中のそしゃく音」など、父親に対する些細な不快感が増幅され、反発の表れとして無視や嫌悪感を示している可能性があります。
このような反応は、娘さん自身が父親との距離感を調整しようとする試みとも解釈できます。
母親との関係との差異
娘さんが母親とは普通に話している点から、父親を特別に拒絶しているというより、成長過程での自然な役割分担(母親への親密な依存と父親への距離感)による行動である可能性があります。
自己表現のジレンマ
思春期の子どもは親に甘えたい気持ちと、自立したい気持ちの間で葛藤しています。このジレンマが、父親への反発として現れている可能性があります。
解決のための具体的アドバイス
毅然とした態度で安心感を与える
娘さんに無理に話しかけるのではなく、「おはよう」「お疲れさま」「気をつけてね」などの基本的な挨拶を続けることで、存在感を示しつつ安心感を与えましょう。
特に、感情的な反応(怒りや悲しみ)を見せることは避け、落ち着いた態度を保つことが大切です。
母親との連携を強化する
妻が「無理に話すべきではない」と言っていることも尊重しつつ、夫婦間で協力して娘さんを見守る姿勢を示してください。
母親から間接的に「お父さんは気にしてるみたいよ」と娘さんに伝えてもらうことで、父親の気持ちを穏やかに認識させることができます。
家族間のルールを提案する
「業務連絡だけは必ず返事をする」という最低限のルールを家族間で話し合うのも一つの方法です。
ただし、この話し合いは母親を通じて提案するほうが効果的かもしれません。
共通の話題を見つける
娘さんの関心がある趣味や活動を理解し、共通の話題を提供する努力も有効です。
たとえば、音楽や映画、学校での出来事など、自然と会話が生まれるような環境を整えてみてください。
娘さんの兄弟を通じた間接的な接触
長男とは会話が続いているとのことですので、彼を通じて娘さんとの距離を縮める方法を考えましょう。
「最近、妹とどう?」と兄に軽く尋ねるだけでも、兄妹間の様子を知る手がかりになります。
家族としての雰囲気を大切にする
家族の一員として、娘さんが安心して過ごせる家庭の雰囲気を維持することが重要です。
父親としての存在感を示しつつ、過剰に干渉せずに自然体で接することを心がけてください。
注意点と長期的な視点
焦らず待つ姿勢
思春期は一時的な状態であり、娘さんが大人になるにつれて態度が変わる可能性が高いです。
短期的な結果を求めず、長い目で成長を見守りましょう。
父親としての一貫性を保つ
無視されたとしても、自分の価値観や行動にブレがないことを示すことで、父親の信頼感を高めることができます。
専門家への相談も視野に入れる
もし関係が深刻化する場合は、心理カウンセラーや家庭問題の専門家に相談することも検討してください。
娘さんにとって「自分を見守ってくれている父親」という存在が、今後の人生で大きな支えになることを信じてください。
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中年期になった娘さんの場合
娘さんが思春期の場合は、このように考えることで、ある程度解決ができると思いますが、次には、娘さんが40歳頃など、中年期になっても続いているという人の場合について、取り上げます。
娘さんが40歳になっても父親との関係が改善されていない場合、思春期特有の問題を超えた長期的な心理的・人間関係的な問題が背景にある可能性が高いです。
この状況を分析し、考えられる原因と対処法を以下に示します。
長期的な疎遠の原因の可能性
過去の出来事やトラウマ
過去に父親との間で傷ついた体験(言葉、態度、行動)が原因で、感情的な壁ができている可能性があります。
例えば、娘さんが傷つくような発言や行動が意図せずあった場合、その記憶が長期的な疎遠の要因になっていることがあります。
価値観や生き方の違い
親子であっても、価値観や生き方が大きく異なると疎遠になることがあります。
特に、父親が娘の選択や考え方を否定したり、過度に介入したりした場合、娘が自己防衛として距離を置く可能性があります。
母親との関係性の影響
娘が母親と父親の関係をどう見てきたかも重要です。
例えば、母親が父親に対して否定的な態度を長期間示していた場合、それが娘の父親への態度に影響を及ぼすことがあります。
成人後の親子関係の見直しが行われていない
思春期の距離感がそのまま固定化され、大人同士の新しい親子関係を築く機会がなかった場合、疎遠が続くことがあります。
心理的問題や特定の障害
娘さん自身が心理的な問題や障害(例:アダルトチルドレン、過去の虐待経験によるPTSDなど)を抱えている場合、父親との関係に特に困難を感じている可能性があります。
解決に向けたアドバイス
過去の出来事への向き合い
父親自身が、過去の行動や発言を振り返ることが重要です。
「自分のどんな言動が娘を傷つけた可能性があるのか」を考え、もし特定できた場合は、直接謝罪することで関係修復の第一歩を踏み出せます。
具体的には、過去の出来事について聞き、受け入れる姿勢を示しましょう。
第三者のサポートを活用する
家族間で直接話すのが難しい場合、家族カウンセリングや心理セラピストの支援を受けることを検討してください。
第三者の介入により、冷静かつ建設的に対話を進められる可能性が高まります。
期待値を下げ、関係の再定義を行う
理想的な親子関係に固執するのではなく、「最低限のコミュニケーションから始める」という現実的な目標を設定しましょう。
「完璧な関係」を求めるプレッシャーを取り除くことで、双方が少しずつ歩み寄る余地を作れます。
父親の気持ちを伝える機会を設ける
自分の気持ちを率直に伝えることも大切です。
ただし、娘が話を受け入れられる状況やタイミングを見計らいましょう。
「あなたともっと話したい、関係を修復したいと思っている」と真摯に伝えることで、娘の心に届く可能性があります。
共通の活動を探る
娘さんの興味や趣味を理解し、それに関連する共通の活動を試みることで自然な会話の糸口を探ります。
例えば、旅行や料理、映画鑑賞など、プレッシャーを感じずに一緒に楽しめる活動を提案してみてください。
尊重と自立のバランスを取る
娘さんが自立した大人として尊重されていると感じることが重要です。
「親としてのアドバイス」ではなく、一人の大人として対話する姿勢が、娘さんにとって心地よい関係性を作ります。
長期的な視点を持つ
今すぐに関係が改善しなくても焦らず、時間をかけて信頼を築いていく覚悟が必要です。
40年近く続いた問題を解決するには、短期的な結果を求めない忍耐が求められます。
注意点
娘さんが過去の体験をどのように感じているかを知るには、父親が誠実に耳を傾ける必要があります。
そのために、自分を防御せず、批判や否定をせずに受け入れる姿勢が重要です。
過度に干渉せず、娘さんのペースを尊重することが大切です。
親子関係は修復が難しい場合もありますが、父親が誠実に努力し続けることで、新しい関係性を築ける可能性があります。
自分の気持ちを整理しつつ、娘さんの気持ちを尊重する姿勢を持ち続けてください。
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次に、娘さんが発達障害など、特有の性格や特徴を持っていた場合
昨今では、発達障害やコミュニケーション障害などの傾向を持つ割合が増えていますので。この状況について触れていきます。
発達障害特有の性格や特徴を持つ娘さんの場合、親子関係が難しくなることがあります。
それは、発達障害の特性が親子のコミュニケーションや感情のやり取りに影響を及ぼす可能性があるからです。
以下では、その背景や対応方法について詳しく考察し、アドバイスを示します。
発達障害と親子関係の可能性
1. 発達障害の特性と親子関係への影響
感覚過敏
例えば、食事中の咀嚼音が気になるなどといった感覚過敏の特性は、発達障害の一部である場合があります。
父親が無意識にしている行動が、娘さんにとって非常にストレスフルな刺激となることがあります。
コミュニケーションの困難さ
発達障害には、非言語的なコミュニケーション(表情やトーン)を理解しにくい特性が見られることがあります。
そのため、父親が善意で接していても、意図が誤解される可能性があります。
社会的関係の構築の困難さ
発達障害を持つ人は、他者との距離感を適切に取ることが難しい場合があります。
特に親子間では、適度な距離感を保つことが課題になることがあります。
自己主張や自己防衛の過剰反応
自分の考えや感情を表現する際に、強い拒絶反応や防衛的な態度を取る場合があります。
このため、「無視」や「嫌な顔」といった行動が目立つ可能性があります。
考えられる原因と心理的背景
家族の中でのストレスの蓄積
娘さんが過去に父親との関わりの中で強いストレスを感じた経験が蓄積され、それを解消する機会がなかった場合、拒絶的な態度が続く可能性があります。
自己表現の方法の未熟さ
発達障害の特性として、自分の感情を適切に表現する方法が分からず、極端な態度を取ることがあります。
他者に対する不信感
娘さんが他者、特に父親に対して何らかの不信感を抱いている場合、距離を取ろうとする態度が現れます。
アドバイスと対応策
1. 娘さんの特性を理解する
娘さんが発達障害の特性を持っている場合、その特性を理解することが重要です。
娘さんが診断を受けている場合、専門家(医師や心理士)に相談して具体的な特性を把握しましょう。
例えば、感覚過敏の場合、音や匂いなどの刺激を減らす工夫が効果的です。
咀嚼音をできるだけ抑える努力を続けることも有効です。
2. 非言語的なコミュニケーションを意識する
発達障害のある人は、言葉だけではなく非言語的な要素(表情や仕草)を過剰に気にする場合があります。
穏やかな声のトーンや表情を心がけることで、安心感を与えやすくなります。
3. 無理に関わらないが、存在を示し続ける
娘さんが拒絶する場合でも、「おはよう」「お疲れさま」といった短い挨拶を続けることで、父親としての存在感を示しつつ、距離を尊重することが大切です。
4. 専門的なサポートを活用する
必要に応じて家族全体でのカウンセリングを受けることを検討してください。
専門家の指導のもとで、親子間の関係を修復するための方法を学べます。
また、発達障害者の家族向けのサポートグループや情報交換の場を活用することで、他の家族の事例や対処法を知ることができます。
5. 娘さんのペースを尊重する
娘さんが40歳ということもあり、親からの干渉を最小限にすることが重要です。
「親だから」という姿勢ではなく、大人同士の関係として接することを意識しましょう。
無理に感情を共有することを求めるのではなく、娘さん自身が必要と感じたときに相談できる関係性を作ることを目指してください。
6. ポジティブな環境を整える
家庭全体の雰囲気が重要です。
家庭内で批判的な言葉を避け、リラックスできる空間を作ることで、娘さんが自然と安心感を抱ける環境を提供しましょう。
まとめ
発達障害の特性が関係性に影響している場合、親側の理解と適応が特に重要です。
親としての期待値を下げ、娘さんの特性を尊重する姿勢を持ち続けることで、少しずつ関係性を修復する可能性があります。
時間をかけてでも、娘さんにとって「安心できる存在」であることを目指してください。
所感:
私としても娘を持つ父親として、できる限りの親業をしてきたにもかかわらず、娘に理解されず、それどころか、嫌われてしまい、口も聞いてもらえなかったりあったものです。
自分なりに悩み、友人知人や専門家の意見に耳を貸し、書物やウェブ上の情報で、解決できるのならばと随分と努力もしたものです。
娘を思う気持ちは、人一倍あるにもかかわらず、それを分かってもらえないと思うのはとてもつらいことですよね。
ここまで様々な意見をまとめてきましたが、1つでも心に響くものがあったら、この記事の役割が果たせたのではないかと思う次第です。
最後まで読んでいただき心より感謝申し上げます。
心安らかな毎日を!感謝。