単純な故障
家電製品の突然の故障は、意外と単純なところにあることが多いものです。私が修理した中で多かったのは、電源コードのプラグ側の付け根あたりのコード内の断線です。頻繁に動く部分ですから、どうしても痛みが早いのです。こんな場合の修理は、意外と簡単な作業です。手書き図入りでわかりやすく説明しますので、ぜひ自分でやってみてください。
電源コードの、プラグ側コード内の断線が多い家電製品
この部分の故障が多い家電製品としては、ドライヤー,扇風機,こたつ,コード式のシェーバーなど・・プラグを抜き差しして使うことが多い家電製品です。
原因としては、プラグをコンセントに抜き差しして使うことが多いことに加え、コードが頻繁に動いてしまう使い方にあります。そうすると、電源コードと電源プラグの接続付近あたりに無理な力がかかってしまい、電源コード内の芯線が切れる原因になるわけです。
皆さんも一度は二度は経験をしていることと思いますが、原因を追求することなく買い替えてしまったりしていないでしょうか?この記事で紹介しているとおりに修理することで、買い替えせずに済んだかもしれませんね。
普通に使えていたドライヤーやシェーバーが、ある時突然全く動かなくなるわけですから、直すよりも買い換えてしまおうと思う方が多いと思いますが、ひと手間で直ってしまうものです。
コード内の断線の見極め方
突然動かなくなった場合、まず初めにすることは、故障原因を探すことからですね。皆さんが、まず最初にするのは、電源スイッチのオンオフを繰り返しだと思います。そうすることで、動くことがあるなら、スイッチの原因を疑うことになると思います。スイッチが原因なら、オンオフすることで、瞬間的にでも動作したりするものです。
(※スイッチが原因での故障の場合は、スイッチそのものの交換が必要になることが多いため、この記事では取り扱いませんので、後日の記載までお待ちください。)
スイッチのオンオフで、何の変化もみられないなら、電源コードを疑ってみましょう。電源コード内の断線を疑ってみるのです。特に、電源プラグ側の付け根部分の中が切れていることが多いので、プラグとプラグから10cmぐらい離して、両手で持ち、その部分を上下左右に動かしてみてください。
ドライヤーを例に説明します。スイッチは入れておいてくださいね。コードを動かした時に、コード内の断線部分が接触した時、ドライヤーが動き出してしまいますので、安全のために、モードは”風”にしておきましょう。
さて動かしてみたところどうでしょうか?一瞬でも動作したりしませんでしたか?もし、動作したのならほぼ間違いなく、その部分の断線ということになります。このようにして断線が故障の原因と分かれば、修理はいたって簡単です。コードの悪い部分を切り取り、つなぎ直すだけですからね。
電源プラグ側の、電源コード内断線の修理手順
手順1:コンセントからプラグを抜く
スイッチを切ることを忘れないでくださいね。このことは、安全のために大切です。コンセントから電源プラグを抜くことによっての動作は、家電製品によって、2通りのタイプがあります。
1つのタイプは、プラグを抜くことで完全に電源オフの状態となるもの。
もう一つのタイプは、プラグをコンセントから抜いてもスイッチはオンのままのもの。この場合、修理が終わった後、電源プラグをコンセントに差した瞬間に動き出してしまって、危険ですので、必ずスイッチを切って作業を進めてください。
後者のタイプは、機械式スイッチで、昔の製品が主に採用していました。最新式のマイコンモデルなどは、前者のタイプのものが多くなっています。いずれにしてもスイッチは切ってから作業を進めましょう。
手順2:電源コードの断線箇所を見極め、切断する
先ほど、コードの両端を持って上下左右に動かした時、一瞬でも動作したポイントがあったと思います。その部分が断線部分ですので、その部分を切除することになります。目安としては、その部分よりも5cmくらいは、本体よりのところからコードを切断しましょう。
切断箇所が断線部分よりプラグ側だったりすると、せっかく修理したのに治らないということになりますので、なるべく本体側を切断したいところです。当然のことながら、コードは短くなってしまいますので、使い勝手が悪くて嫌だなと思う場合は、ここでコードを延長しておきましょうね。
手順3:電源コードの被膜を剥ぎとる
コードをプラグに繋ぎ込むためにコードの被膜を剥いでいきます。慣れた人は、カッターや、ナイフでコードの被膜を皮の部分だけに傷を入れ、指先でつまんで抜き取るのですが、慣れないと中の金属線まで切ってしまうことが多いです。
それを防ぐためには、図のようにライターで炙って被膜を柔らかくしてから、固まらないうちに指先で皮を持って引っ張るときれいに取れます。もう少し丁寧にやるのならば、被膜の周りにカッターで傷を浅く入れ、その部分をライターで炙って引っ張るととても綺麗に被膜をはぎ取ることができます。
プロの方はコードの皮むき専用の道具を持っていますが、一般の方はそのようなものはなかなか持っていないと思います。この際にDIYを始めるのなら1つ用意しておいてもいいかもしれません。
手順4:プラグ内の金属板と電源コードをネジで接続する
図のように、電源プラグのネジを外して、中の金具に、電源コード内の芯線を各々つなぎこみます。家庭用の電気は、プラスマイナスがありませんので、どちらにつないでも大丈夫です。極性がないということです。
(※厳密には電気の供給側と設置側という言い方がありますが、電気工事の際に必要になる知識ですので、今回のような場合は全く気にする必要はありません)。
ここで使うような電源プラグは、ホームセンターなどで、150円位で売っています。折角買うなら、可動式のタイプなど、使い勝手が良いものもありますので、この際ですから、自分の使い方に合ったものや、気に入った色,デザインのものにしましょうね。
尚、元々ついているものが、ネジで止めてあるなら、それが再利用できます。ネジ止めでなく、密閉されているものは再利用できませんので、残念ですが捨てるしかありません。
最後に、電源プラグの蓋を閉め、ネジで止めて完成です。スイッチは切れていることと思いますが、念のため確認してください。特に、扇風機のように回転するような家電品の場合は、注意してください。さあ、コンセントに電源プラグを差し込んで、動作確認しましょう。
まとめ
- 家電製品の単純故障の一つに、電源コード内の芯線の断線が多い(電源プラグ付近)。
- 原因は、頻繁に動いてしまう部分であるために、中の芯線が切れてしまうということ。
- 修理は、電源コード内の断線した部分を取り除き、電源コードとプラグを繋ぎ直すだけ。
簡単な修理ですので、ぜひチャレンジしてみてください。自分で修理して、また使えるようになると、愛着がわき、大事に長く使いたくなったりするものです。
ゴミにならず、家計にもやさしいし、いいことずくめですよ。(笑)